宮崎県でしか味わえない、特産柑橘「へべす」。その魅力を探しに、日向市を訪ねました。
そもそも「へべす」って?
「すだち」や「かぼす」は聞いたことがあるけれど、「へべす」はちょっと珍しい存在かもしれません。
「へべす」は、宮崎県・日向市を中心に栽培されているご当地柑橘。見た目はすだちやかぼすに似ていますが、香りはより爽やかで、酸味はまろやか。クセがなく、どんな料理にもそっと寄り添う"名脇役"です。
「へべす」は、宮崎県北部・日向市発祥の柑橘です。名前の由来は、江戸時代末期にこの地で農業を営んでいた長曽我部平兵衛(へいべえ)さん。彼が山中で香りのよい野生の柑橘「木酢(きず)」を見つけ、その苗木を広めたことから「平兵衛さんの酢」----略して「へべす」と呼ばれるようになりました。
見た目が似ている3種の柑橘ですが、特徴には違いがあります。
ひとつの目安になるのが「果房(ふさ)の数」。
すだちとかぼすが8房に対し、へべすは11房とみかんに近い房の数。
半分に切り分けた断面を見るとよくわかります。
また、味わいもそれぞれ異なります。
かぼすは爽やかでインパクトのある香りとしっかりした酸味が特長で、すだちはシャープな香りとキリッとした酸味で魚に添えて楽しまれます。
それに対し「へべす」は酸味がまろやかでクセがない分、料理にもスイーツにも使いやすく、ふだんの食卓でも取り入れやすい味わいです。
3種を食べ比べるとその違いがはっきりと分かります。
ぜひ、試してみてくださいね♪
今回ラ・メゾンで使用するへべすを栽培する「成合へべす園」。
あいにくの雨でしたが、しっとりと潤った圃場で、生育中のへべすの様子を見学させていただきました。
生産者の成合さんにへべす栽培について伺いました。
へべすは毎年8月のお盆過ぎ〜12月頃まで収穫されます。
取材した6月は、雑草の手入れなど、夏に向けた準備の真っ最中でした。
通常、へべすは緑色の状態で出荷されますが、11月を過ぎると果皮が黄色くなります。かつては"売れ残り"とされがちだった黄色のへべすですが、実はこの時期の果汁はさらにまろやかに変化。現在では、黄色く熟したへべすを楽しみにしている方も多いそうです。
成合さんは、もともと異なる職業に就いていましたが、お父さまの急逝をきっかけに園を継承。現在は有機農法に切り替え、腐葉土のみを使い、農薬に頼らない自然栽培を続けています。
受粉も人工ではなく、自然の風に任せるスタイル。害虫の被害など、手間のかかる面もありますが、自然と共に育てる農法に誇りをもって、今日もへべすと向き合っておられます。
へべすの爽やかな酸味と香りを活かした、夏限定メニューが登場!
単品 1,980円(税込)
販売期間:2025年6月1日〜7月31日
販売店舗:ラ・メゾン アンソレイユターブル 全店
香ばしく焼いた手捏ね粗挽き肉をフルーツトマトとタラゴンを入れ、ホイルで蒸し焼きに さっぱりしたへべす果汁のトマトソースと一緒に。
単品 1,780円(税込)
販売期間:2025年6月1日〜7月31日
販売店舗:ラ・メゾン アンソレイユターブル 全店
炭火で香ばしく焼き上げた鶏肉とトロッとした茄子、ズッキーニを和ハーブで香り豊かに。宮崎県産の柚子胡椒へべすソースでさっぱりと。